マイクロテクニカ製品サポートFAQ
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使用ICリビジョン変更に伴う、一部製品動作変更のご案内
2015年9月より発送のRFID-MOD10につきまして、本RFID規格を策定しているNXP(旧Phillips社)のIC仕様及び、本モジュールの設計元であるib Technology社(イギリス)の方針により一部、パスワードコントロールと、それに伴うLED表示、ステータスコマンドによる戻り値の仕様に変更が行われることとなりましたので下記にご案内致します。

Hitag2規格では、RWD PASSWORD及びTAG PASSWORDという2つのパスワードよって、モジュールとICタグとの間で、パスワード制御をしております。しかし、これらのパスワードがセキュリティ上破られた場合、タグにアクセスができてしまう事例がございます。(パスワードを解読してしまうには相当なハッキング技術が必要で通常使用ではまず問題になりません。)

そのため新しいデバイスでは、モジュール本体に最大60枚までのカードのシリアル番号を登録しておき、そのシリアル番号がリストにあるカードのみ読み込み、書き込みができる、リストによる認証「TAG認証」の仕組みが導入されました。これにより、この機能を使った場合、最大60枚までのあらかじめ登録したカードにしか反応しなくなりセキュリティ機能が向上します。

※Hitag2規格タグには1枚1枚変更不可能なシリアル番号が、不揮発性メモリのページ0に4バイトで書き込まれています。このシリアル番号は、お客様にて変更することは不可能です。

■変更点
上記のTAG認証が導入された結果、RFID-MOD10のLED表示(緑LEDと赤LED、2ピン及び1ピン)の挙動が従来の製品と異なった動作を致します。下記に差違を記載致します。

・従来製品の動作
RWD PASSWORD及びTAG PASSWORDが、タグとモジュール間で不一致の場合、タグが通信可能圏内に存在しても緑LEDは点灯せず、赤LED点灯のままである。また、その状態では、"S"コマンドでステータスを確認すると、0xC0が返る。

・新製品の動作
RWD PASSWORD及びTAG PASSWORDが、タグとモジュール間で不一致の場合でも、タグが通信可能圏内に存在すると緑LEDが点灯し読み書き対応タグが近傍にあることを表示する。パスワード不一致でも赤色LEDは点灯しない。また、その状態では、"S"コマンドでステータスを確認すると、0xD6が返る。

(追加機能→)TAG認証を有効にしている場合(*1)モジュール本体に登録されているシリアル番号のタグが通信可能距離に近づくと緑LEDを点灯する。モジュールに登録されていないシリアル番号のタグが近傍に近づいても、赤色LEDが点灯したままになる。
"U"(0x55)コマンドが追加されており、Uコマンドを実行すると、タグのシリアル番号を読み込むことができる。

*1:TAG認証の有効/無効の切り替えは、モジュール本体のリスト0番に、シリアル番号が保存されている場合には有効に、リスト0番に何も保存されていない(FF FF FF FF)の場合には無効になります。デフォルト設定ではTAG認証は無効になっています。

*2:緑LEDと連動して動作するOPピン(4つ)は、緑LEDが点灯している時にLowレベル、それ以外はHレベルとなりますので、必然的に旧規格と新企画で動作がことなります。

■変更点のまとめ
主な違いは、RWD及びTAG PASSWORDと、LEDの反応の違いです。

旧製品では、RWD及びTAG PASSWORDがタグと本体間で「一致している時のみ」、緑LED点灯、その他は赤点灯。

新製品では、RWD及びTAG PASSWORDがタグと本体間で「一致、不一致に関係なく」、タグが通信圏内に存在すると、緑LED点灯。タグが近傍にない場合と、TAG認証機能有効時でシリアル番号が不一致のタグがある場合には赤点灯。

■Rコマンド、Wコマンドについては同じです。

タグからデータを読み込むRコマンド、タグにデータを書き込むWコマンドについては、旧製品と新製品とも同一です。
RWD及びTAG PASSWORDがタグと本体間で一致している時のみ読み書きが可能で、パスワード不一致の時は、一切読み書きはできません。この内容は新旧どちらの製品でも同じ仕様です。

■RWD及びTAG PASSWORDと連動して外部に一致、不一致を通知する手段

新製品では、RWD及びTAG PASSWORDがタグと本体間で一致、不一致でも利用可能なタグが近傍にあると、緑LEDが点灯する仕様となりました。
もし、RWD及びTAG PASSWORDがタグと本体間で一致していないことを確認するためには、シリアルコマンドで、Rコマンドを発行して頂き、適当なページを読み込みます。(例:0x52, 0x04など)
その上で、戻り値の先頭バイトに0xD6が来れば(又は5バイトのデータを受信できれば)パスワードは一致している。戻り値が0xC0であれば、(又は戻り値が1バイトだけ)それはパスワードが不一致であると判断するようなプログラムでご対応頂けます。

以上、お手数をおかけ致しますが、IC仕様変更に伴う仕様変更でございますので、何とぞご理解ご了承頂けますようお願い致します。






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