マイクロテクニカ製品サポートFAQ
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マイクを変更する方法
SR-MOD100で使用できるマイクは標準で付属しているコンデンサマイクで、仕様は下記の通りです。

(Horn EM9745P-382)
・ 感度 -38dB (0dB=1V/Pa @1KHz)
・負荷インピーダンス 2.2K
・動作電圧 3V
・100Hz〜20kHzまでの周波数特性がフラットである物

上記の仕様に準じたマイクであれば他のコンデンサマイクでもご使用頂けます。

(マイク仕様の変更はサポート対象外となりますのでご注意ください。)

標準の本体設定及びモジュールの回路構成ではマイクから発声源までの距離は約60cmを想定しています。この距離指定は、コマンドによって多少変更させることもできます。
また標準で付属のマイクは無指向性ですので、多方向からの音を拾います。周囲のノイズを拾ってしまう場合には指向性マイクを使用するなどします。

もし標準で付属のマイク以外を使用する場合、また認識精度を改変したい場合には次の方法で計算をして回路を構成してください。マイク仕様の違いによる負荷インピーダンス及び感度の違いは、マイクゲインを変更することによってある程度、補正することができます。これは、いくつかの方法で行うことができます。

1.本体のR4ゲイン設定抵抗(1.2kΩ)を変更する。

2.本体のVMピンとMICピン間に抵抗を挿入する。この抵抗はR4抵抗と並列となり1.2kΩとの並列接続となる。抵抗を接続すると抵抗値は小さくなり、ゲインを減少させることができる。

マイクゲインの計算は次式によって行います。

Rs = I x 10^((G-S)/20)

Rsはマイクゲインの抵抗値、Iはマイクのインピーダンス、Gはゲインで下記の通りです。
Sはマイク感度として設定したい値です。設定値は-dBでマイクの仕様に準じます。

※マイク感度はマイクの仕様書に書かれています。単位がuBarsの場合にはPascalに変換する必要があります。マイク仕様でuBarsが示されている場合、20dBを加算します。例えば-58dB/uBarsと記載があった場合、+20dBして、-38dBV/Paとなります。

なお、ゲインの設定を行うのに際して、本体にマイク種別設定をコマンドでする必要があります。デフォルト設定では、ARM_LENGTHの設定になっており、付属のコンデンサマイクを手で持って口から約60cm程度の位置にあることを想定しています。設定には以下の3種類がありゲインを適宜調整します。

1.HANDSET設定:より口などの発声源にマイクが近い(数センチ)の場合、システムゲインは-49dBです。
2.ARM_LENGTH設定:発声源から60cm〜90cm程度の場合、システムゲインは-44dBです。
3.FAR_MIC設定:発声源から約3m程度と遠い場合、システムゲインは-43dBです。

※ 0dB=1v/Pa@1kHzです。

計算例:
1.本体設定でマイク種別がARM_LENGTHの場合、G=-44dBですので次式となります。
Rs = 2200 x 10^(((-44-(-38))/20) = 1103

※S=38dBV/Paは付属コンデンサマイクの感度値です。

よって1.1kΩとなります。本モジュールでは1.2kΩの抵抗器をR4に付けています。

2.本体設定でマイク種別がHANDSETの場合、G=-44dBなので次式となります。

Rs = 2200 x 10^(((-49-(-38))/20) = 620

よって、R4は620Ω程度の抵抗器を取り付けることが最適値となります。

本体のマイク種別設定と、マイク仕様を勘案して値を算出して抵抗値を調整してください。
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