■ CLICK-32MXの仮想COMポートサンプルについて
CLICK-32MXには,出荷時にテスト用として仮想COMポートのサンプルプログラムが書き込まれています. このプログラムはmikroBUSのUART通信のTX,RXピンの信号を,USB経由でパソコンの仮想COMポートと通信させるためのものです.
このプログラムは出荷テスト用のサンプルプログラムですが,mikroBUS規格のCLICKボードで通信規格がUARTのものであればパソコンと通信させて動作確認が可能です. ただしこのサンプルプログラムには下記のような制限がありますのご使用に際してはご留意ください.またこのサンプルプログラムはあくまでも出荷時の動作確認及び評価用ですのでその点ご了承の上,ご使用ください.
■制限事項 ・通信仕様は次の通りです.この仕様は変更できません. -通信速度:115.2kbps -データ長:8ビット長 -パリティ:なし -ストップビット:1
・仮想COMポート側(PC側)並びに,UART側の信号はデータの最後が必ず,CR(0Dh)で終端されている必要があります.本プログラムは先頭データから,CRまでを1回のデータとして送受信するようになっていますので,CRで終端されていないデータは送受信せずCRが到来するまで待機状態となります. なおATコマンドを使用するCLICKボードや,CLICK-BLEなどはすべてコマンドの最後をCRで終端することがもともとの仕様です.
・1回のデータ(データ先頭からCRまで)は最長で1024バイトまでです.1回の通信ではそれ以上のデータ送受信はできません.
・RSTピン(RD7)はCLICK-BLEのDeepSleepからの復帰のためのWAKEにアサインされているためデフォルトの設定では,電源投入後,ブートローダーモードが終了するとHレベルになります.
■仮想COMポートサンプルの使い方
CLICK-32MXは通常PCと接続した直後から,及びリセットボタンを押した直後から3秒間,ブートローダー開始モードになります.この3秒間にPC側のブートローダーソフトで"Connect"ボタンを押すと,ブートローダーモードに入り,HEXファイルの書き込みができるようになります.
この3秒が過ぎると,書き込まれているファームウエアが走ります.仮想COMポートサンプルも3秒後,ブートローダー開始モードが終了すると動作を開始します. パソコンで本機が仮想COMポートデバイスとして認識されるのはこの時点ですのでリセット直後やパソコン接続直後は仮想COMポートとして認識されないことに注意してください.3秒後に認識されます.
初回接続時でパソコンで本機が認識されたら下記のデバイスドライバーを使ってインストールを行ってください.(Windows7以降の32/64ビット版OSで使えます) http://www.microtechnica.tv/support/software/click5_vcp.zip
インストール後,デバイスマネージャーで"ポート(COMとLPT)"の項目で本製品が仮想COMポートとして認識されますので,そのCOMポート番号を控えておいてください.
通信は汎用シリアルターミナルで行います.TeraTermなどが有名ですが当方でも使いやすいシリアルターミナルを紹介しています. http://www.microtechnica.tv/faq/faq.cgi?kate=Maeni&faq=4
※ターミナルソフトの設定で終端文字を設定できる場合には必ずCR(0Dh)を指定し,ターミナルから送信するデータがCRで終端されるように設定してください.
あとは通常のシリアル通信として本ボードのTX,RXピンと送受信が可能です.
■仮想COMポートサンプルのプログラムについて
ブートローダーを使って他のHEXファイルを書き込むと,仮想COMポートのサンプルプログラムは上書きされて消去されます.再度仮想COMポートサンプルを使いたい場合には下記のHEXファイルを書き込んでお使いください. http://www.microtechnica.tv/support/software/VCP_Example.zip
■ご使用前のご注意
本仮想COMポートサンプルプログラムは製品出荷時の動作確認及び本製品の簡単な評価用として作られた物であり,あくまでもサンプル扱いとなっております. 製品としての動作保証はございませんので,本仮想COMポート機能をそのままに最終機器へ組み込むなどのご使用方法はお控え頂きますようお願い致します.
思い通りに通信ができない,という場合には必ず本ボードのUARTピン(TX及びRX)をオシロスコープで観察してPCからのデータがRXピンに現れているかなど動作確認をお願い致します.
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